パス+個人持ち絵の具(年長) 描画年長

年長・近鉄特急「ひのとり」

■活動時期:12月上旬
■ねらい:描画が苦手な男児にも描きやすく、得意な子には描き込めるテーマ設定
■材料用具:画用紙(白)、個人持ち絵の具、設定絵の具(空の絵の具:青、水色)、細筆、極細筆
■導入:近鉄特急「ひのとり」の車両や、写真にある周辺の風景について話し合ってから描く。
■愛知県愛西市とみよし幼稚園の実践です。
 以下、担任の先生からの文章をそのまま掲載します。
 *テーマを考える際、絵の得意不得意に関わらず、どの子も楽しんで描けることを第一に考えた。年少児同様、男児が好きな乗り物系であること、又、幼稚園から待機している「火の鳥」が良く見え、親しみもあることからこのテーマに決定した。「火の鳥」だけでは絵が幼くなると判断したため、横向きの電車の写真ではなく、あえて遠近感の強いものや背景が多くある写真を選んだ。 電車は年少児から良く描いてきたテーマなので比較的描きやすく、さらに「木」も馴染みがあり、子どもたちが自信を持って描ける描画の一つなので、苦手な子にとっては負担が少ない、 得意な子にとっては集中力が長く続き、最後まで丁寧に描きこめるのではないかと予測した。
 結果、テーマを伝えた際の反応もとても良く、いつも以上に線描を集中して丁寧に行う姿が 印象的だった。背景の木や架線柱まで意識し、木の葉一枚一枚までしっかり描きこむ子が多々みられた。
 通常であれば、「午前に線描」「午後から彩色」をするのだが、線描で集中力を使い切ってしま ったため、彩色は翌日に行うことにした。彩色を翌日にしたことで気持ちも集中力もリセットされ、個人持ち絵の具での彩色も雑になることもなく最後まで楽しんで行うことが出来ていた。
 2 日目の彩色も、「火の鳥の色」「木の葉の色」にもこだわり時間をかけていたため、設定絵の具での空の彩色は更に翌日へと持ち越した。 3 日に渡る描画になったが、完成までを楽しみにし、無理なく喜んで描いている姿を見て、数日に分けた描画もテーマによっては良かったのではないかと改めて知ることが出来た。
 最後に、とても印象的だったことは「苦手な子」たちの反応である。線描を行った日の降園バスの中で、過去に描画に自信がなく登園を嫌がったことのある園児が「今日は火の鳥を描いたんだよ!明日見に来てくれる?」と数分間に渡りその日の描画活動について目をキラキラさせながら話しが止まらなかったことにとても驚いたとともに、私たちも嬉しい気持ちが溢れ、描画の楽しさを改めて実感する日になった。
■活動時間 彩色:40分〜70分 彩色:60分〜95分

楽しいから好き!が合い言葉。子ども達も保護者も通いたくなる幼稚園を目指して