■保育室の壁面に何が飾られてあるかで、その幼稚園の保育理念が分かると言っても過言ではありません。どの園でも「ひとりひとりの子ども達を大切に」との文言は聞かれても、壁面にある作品からは見てえてこないことも、しばしばです。たかが壁面、されど壁面。

■子ども達の描画作品を一斉に掲示される園があります。それぞれの作品が個性的なら問題ないとしても、大局的に見て似たり寄ったりの作品が掲示されていたら、描画活動自体にも疑問符がつきます。幼児期の1年間の成長は大人の1年より遙かに差異が大きいし、家庭環境などで描くのが得意な子もいれば、そうでない子もいます。それなのに、ほぼ同じような出来映えの作品が掲示されているとしたら、指導者の非教育的な作為が見え隠れします。

■色画用紙等で、明らかに担任の先生が時間を費やしての製作物が飾られている園もあります。担任の先生方の負担を職務だと割り切るのも考え方のひとつでしょうが、子ども自身にとってどれだけ魅力的な壁面かは疑問です。初めて目にしたときは喜んだとしても、それだけです。

■保育室の壁面は子ども達の園生活の一部なのです。それは住空間に潤いを与えるために調度品や装飾品を設えられるのと同じです。

自分達の保育室だから自分達で飾る」機会を、わざわざ担任の先生が奪ってしまう結果になるのです。子ども達自身が飾れば良いのです。

■ところが、このような取り組みでは多くの配慮が必要です。教師が作る壁面製作なら、保育雑誌の見本をコピーしても済みます。でも、子ども達が主体になる保育に共通した留意点が重要になります。最初に申し上げた「保育室の壁面に何が飾られてあるかで、その幼稚園の保育理念が分かる」がこの時点で明確になります。

■学年(年齢)の取り組み方

●2歳〜年少

この年齢の子ども達はまだハサミやノリなどの用具の使い方も十分ではありません。製作能力を高める経験も取り入れながら、個人製作を中心に進めます。

●年中

かなりの製作能力が育っているので、2〜3人の少人数でのグループ製作を積極的に取り入れます。

■年長

生活グループや、製作したいものに分かれての製作を中心に進めます。

年長1学期最初の活動では、個人絵の具の使い方の確認を目的に、「共同画」を中心に行ないます。

楽しいから好き!が合い言葉。子ども達も保護者も通いたくなる幼稚園を目指して

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