■おもかげ
■浅田次郎
■2017.12初版(毎日新聞出版)
■読後感
浅田が得意とする時空を超えたストーリー展開。作者の作品は、一時期、会話中心で興醒めして遠のいていたが、この作品では簡潔かつ香り高い文章が、一部の章以外続いていて、読み応えがあった。筋の展開は新聞の連載だからか、多少蛇足的な部分も認める。しかし、全編を通して浅田流の詩的な世界が描かれている。(2017.12)

■ファイト
■佐藤賢一
■2017.5 初版(中央公論新社)
■読後感
小説に仕立てたのが不思議なほど特殊な作品。モハメド・アリの4試合を彼の語り口で進める以外の記述は殆どない。ボクシング用語は知っていても、試合はまず見ないのに、臨場感が伝わる。それだけではなく、モハメド・アリの栄光と挫折を幾多の戦歴から選んだ4試合で描き切っている。(2017.12)