幼稚園にはいじめはありません

学校等で「いじめ」大きな問題になっているからでもあるでしょうが、幼稚園でも保護者の方から、お子さんが「いじめられている」と訴えられることがあります。
しかし、結論から言って、小学校以降での「いじめ」とは全く異形のものだし、「いじめの芽生え」でもありません。
多少、理屈っぽく。
「いじめ」とは、集団で少人数を攻撃、あるいは無視する行為です。日本では昔から「村八分」という公的ないじめすら存在したり、「出る杭は打たれる」のことわざからも見られるように、「いじめ」は日本人の大人社会の悪影響が子どもの世界に及んでいると考えられます。実は職場や近所付き合いでも、残念ながら「いじめ」は見え隠れしています

では、幼稚園ではどうでしょうか?
これまで、「いじめられている」と訴えられた場合、明らかに2つのパターンに分けられます。そして、その両方のパターンとも、先に言った「集団で少人数を攻撃」していることは全くありません。

*パターン1*
子ども同士の力関係を親御さんが気にされるケースです。
子どもは気が合うと一緒に遊びます。子どもの世界でも当然力関係はあります。側から見ると積極的な子が消極的な子を一方的に従えているように見え、消極的な親子さんの目には「いじめられている」と映るようです。
しかし、子どもは自分よりも強い子への憧れが、成長動機の大きな要素だと言われているように、消極的な子どもも、そのような関係を決して不愉快には感じていません。
もちろん、積極的な子どもの言動が目に余るようだったら、「優しく」と注意は必要ですが、周囲の大人が子ども達を引き離すようなことは絶対にしてはいけません。

*パターン2*
いわゆる、「意地悪」と「いじめ」の混同です。
しかも、幼児の「意地悪」は、大人のそれとは根本的に違います。
原因は、充分なコミュニケーションが取れないために起こります。「玩具を貸して」と言えなくて、勝手に横取りしたりする子を「意地悪だ」とか「乱暴な子」と見るのは間違いです。言葉で強く言われて、言い返せないので手が出たりするケースでも同じです(女児と男児の衝突が起こりやすいケースです)。 年少児などは、叩くことで愛情表現する子さえいます。これでは、叩かれた方が誤解して当然です。
正しいコミュニケーションの取り方を指導するのはこの時期とても大切です。子ども間でトラブルが生じた場合、その都度お互いの気持ちが納得できるように指導しなければなりませんが、決して、「いじめ」とか、「乱暴な子」と見てはいけません。また、そのような叱り方をすると、叱られた子は納得しません。
このような経験を通して、子ども達は「人付き合いの術」を学び、「相手の立場に立って考えられる人」に成長できるのです。
パターン1では、「幼稚園に行きたくない」と言うことはまずありませんが、パターン2では、登園を嫌がることもあります。幼稚園の先生と相談されると簡単に解決がつきます。悩まずに、まずお話して下さい。